Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
L5/S1腰椎椎間板ヘルニアに対する経椎間孔全内視鏡下椎間板摘出術の治療成績
高木 啓木島 和也圓尾 圭史有住 文博都井 政和楠川 智之橘 俊哉
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2024 年 15 巻 6 号 p. 923-928

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抄録

はじめに:我々は腰椎椎間板ヘルニア(LDH)に対し経椎間孔的全内視鏡下椎間板摘出術(TF-FED)を行っている.全例Foraminoplastyを行い,Outside-in法で手術を行っている.L5/S1は解剖学的に椎間孔が狭く,L5神経根が近いため,Exiting nerve root injury(ENRI)のリスクが高いとされているが,L5/S1に限った治療成績の報告は少ない.本研究はL5/S1のLDHに対するTF-FEDの治療成績を評価しL4/5の治療成績と比較検討した.

対象と方法:2021年4月から2022年12月,当科にてLDHに対しTF-FEDを行い6ヶ月以上経過観察可能であった62例(L4/5:39例,L5/S1:23例).評価項目は年齢,性別,LDHの左右の局在,穿刺距離,手術時間,手術既往歴の有無,周術期合併症の有無,臨床成績は術後6ヶ月のVAS,JOABPEQ,ODIを用いた.

結果:全平均年齢は44.5歳,男性41例(66.1%),右側30例(48.4%),穿刺距離の平均は7.3 cm,平均手術時間は82.9分,手術既往歴がある症例は5例,周術期合併症は認めず,術後VAS,JOABPEQ,ODIで有意に改善した.L4/5とL5/S1の比較では年齢,性別,手術時間,手術既往歴に差は無く,術前のJOABPEQで疼痛関連障害(p= 0.03),腰椎機能障害(p= 0.04),ODI(p= 0.03)以外で有意な差は認めなかった.また,術後6ヶ月でVAS,JOABPEQ,ODIで2群間に有意な差は認めなかった.

結語:L5/S1のLDH対するTF-FEDにおいて,Foraminoplastyを十分行うことで,L4/5と同等の良好な成績を得た.

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© 2024 Journal of Spine Research編集委員会
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