2025 年 16 巻 2 号 p. 50-57
はじめに:本研究は骨粗鬆性椎体骨折(OVF)の椎体圧潰とMRIにおける信号変化の関連とリスク因子を検証することを目的とした.
対象と方法:60歳以上のOVFに対して保存的加療を行い1年経過観察可能であった症例のうち,単椎体骨折かつ初診時に半定量法grade 0~2の103例を対象とした.半定量法grade 3に進行したものを重度圧潰群,それ以外を非圧潰群とした.患者背景因子,臨床成績(JOABPEQ,ODI,腰痛VAS)を比較した.初診,3ヶ月,1年のbone marrow edema(BME)を4段階で評価し比較した.
結果:重度圧潰は39例(38%)に認め2群間で患者背景因子に有意差を認めなかった.臨床成績は両群とも3ヶ月,1年で有意に改善した.重度圧潰群は初診のT2WIで限局highと広範囲lowが多かった.BMEは3ヶ月時で有意差を認め重度圧潰群でsevere 71%であった.1年でも有意差を認め重度圧潰群でnone 5%に対し非圧潰群では50%であった.
結語:重度圧潰は38%に認めたが臨床成績は両群ともに改善していた.非圧潰例で半数は骨髄浮腫も消失して治癒していた.