Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
中上位腰椎椎間板の頭側脱出ヘルニアに対する内視鏡視下ヘルニア摘出術の経験
村田 英明池尻 好聰古賀 大智斎藤 文寿副島 竜平澤 幹也吉岡 徹藤林 俊介
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2025 年 16 巻 8 号 p. 1136-1147

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抄録

はじめに:腰椎椎間板の解剖学的特徴として,中上位腰椎においては,椎間板レベルは椎弓間より頭側に位置している.したがって頭側へ脱出したヘルニア塊は,椎弓間よりはるかに頭側に位置している.その脱出ヘルニア塊を,椎弓間から摘出(Inter Laminar Approach;IL法)する方法に加え,椎弓に骨孔をあけ,経椎弓的にヘルニアを摘出する経椎弓進入法(Trans Laminar Approach;TL法)と外側ヘルニアに対するアプローチを応用した上位椎弓外側縁から進入するFar Lateral Approach(FL法)の3術式を利用し,内視鏡下ヘルニア摘出(MED)した.これら3術式の使い分け,手術手技,術後成績について報告.

対象と方法:17例.平均年齢68歳,IL法7例,TL法4例,FL法6例.L3/4 13例,L2/3 4例.

結果:術当日離床歩行可能.周術期合併症なし.術後平均入院期間IL法9日,TL法6日,FL法4日.術後全例症状消失.

結語:L3/4以上の中上位腰椎椎間板においては,脱出ヘルニア塊の位置によって,3方法を適応したMEDは安全で有用だった.

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© 2025 Journal of Spine Research編集委員会
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