診断病理
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Print ISSN : 1345-6431
症例報告
乳腺小葉癌が子宮平滑筋腫内に“結節内結節”像を構築して転移した1例
稲森 理柳澤 昭夫樋野 陽子中嶋 啓雄浦田 洋二
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2025 年 42 巻 3 号 p. 224-229

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抄録

要旨:癌の他臓器腫瘍内転移は稀な転移様式である。今回,乳腺小葉癌が子宮平滑筋腫内に結節内結節像の形態で転移した1例を報告する。症例は80代女性。前医で左局所進行乳癌に対する手術前に施行されたPET-CT画像で子宮肉腫が疑われたため,当院に紹介され子宮摘出術を施行した。病変は子宮内腔を圧排するように膨満する80×60 mm大の腫瘍で,その中に複数の結節内結節像があった。組織学的には,平滑筋腫内への乳腺小葉癌の転移巣であった。腫瘍内転移は稀な病態であるが,進行癌の罹患患者の症例では鑑別診断に挙げる必要がある。

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© 2025 日本病理学会

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