Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
短報
看護学生向け緩和ケアの講義による終末期患者に対する態度育成の効果―FATCOD FormB-Jを用いた講義前後の比較―
清水 佐智子
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 10 巻 1 号 p. 306-311

詳細
抄録

この研究の目的は,①看護学生の終末期患者に対する態度は,講義によって向上するか,②身近な死の経験や看取り経験がある学生は,そうでない学生よりも終末期患者へ対する態度が前向きか,を明らかにすることである.FATCOD(Frommelt Attitude Toward Care of Dying Scale)-FormB-Jを用いて調査を行い,得点を緩和ケアの講義前後,死別や看取り経験ごとに比較した.69名から回答が得られ,「Ⅰ.死にゆく患者へのケアの前向きさ」「Ⅱ.患者・家族を中心とするケアの認識」の両者で,講義後の点数が有意に高かった(p<0.0001).死別・看取り経験の比較では,有意差がなかった.看取り経験がある学生は,点数が高い傾向にあった.終末期ケアの内容を含む緩和ケアの講義は,看護学生の終末期患者に対する態度向上に有用であることが示唆された.

著者関連情報
© 2015 日本緩和医療学会
前の記事 次の記事
feedback
Top