抄録
【目的】これまで地域がん診療連携拠点病院の緩和ケア外来での意思決定支援に関する報告は少ない.本研究の目的は,緩和ケア外来でのがん患者と家族に対する意思決定支援内容について明らかにすることである.【方法】2012年4月から2014年3月までに在宅患者を対象とした緩和ケア外来へ依頼のあった全110例の診療内容を後ろ向きに検討した.【結果】緩和ケア外来受診期間中央値23日(最短1日,最長492日),平均受診回数4.7回(最短1回,最長29回)であった.緩和ケア外来での意思決定支援の必要例は89例(80%)で,その中で抗がん治療方針の意思決定支援は33例(30%)であった.33例の治療状況は,診断時から抗がん治療中の症例が26例(78%)であった.【結論】地域がん診療連携拠点病院の緩和ケア外来では,より早期からの意思決定支援が重要な役割の1つとなることが示唆された.