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Palliative Care Research
Vol. 12 (2017) No. 2 p. 511-515

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http://doi.org/10.2512/jspm.12.511

症例報告

てんかん発作中の徐脈や心静止は,発作性徐脈症候群といわれている.脳転移が原因のてんかん発作による発作性心静止の報告はこれまでない.症例は62歳の男性で,多発脳転移を有する肺扁平上皮がんの患者である.これまで失神歴はなかったが,最大16秒の洞停止を伴う失神が出現した.その後も発作性に徐脈や心静止がみられ,腹痛,悪心,意識減損,血圧低下,および一点凝視を伴った.てんかんを疑い脳波を確認したところ多発する鋭波を認めた.発作を繰り返したが,放射線治療により脳転移が改善したところ,発作は消失した.このため,脳転移に起因するてんかん発作による発作性心静止と診断した.がん患者に失神や洞不全症候群がみられた場合,てんかん発作による発作性徐脈症候群の可能性も考慮すべきと考えられた.また,脳転移が原因の発作性徐脈症候群は,脳転移に対する治療が有効である可能性がある.

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