Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
原著
看取りの時期にある小児がんの子どもをもつ家族向けパンフレット「これからの過ごしかたについて─子ども版─」の小児がんに携わる医療者の意見による使用可能性の検討
入江 亘名古屋 祐子羽鳥 裕子吉田 沙蘭尾形 明子松岡 真里多田羅 竜平永山 淳宮下 光令塩飽 仁
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2018 年 13 巻 4 号 p. 383-391

詳細
Abstract

本研究の目的は,著者らが作成した,看取りの時期にある小児がんの子どもをもつ家族向けのパンフレットの使用可能性を,量的・質的双方の視点から検討することである.小児がんに携わる医療者267名に質問紙を配布し,76名(28%)が回答した.回答者の93%がパンフレットを「使いたい」と回答し,86%が家族に実際に「使える」と答えた.自由記述では,使用の利点として【言葉にすることが難しい部分のコミュニケーションが図れる】【家族が理解しやすい】【家族のタイミングで読める】【看取りの方向性がわかりやすくなる】,留意点として【渡すタイミング】【家族の受け入れ状況】【子どもの状況】【医療チームとしての方針】【家族・医療者の信頼関係】【医療者の使用に対する考え】【資料の分量】が示された.パンフレットは使用可能と考えられたが,個々に使用の利点や留意点を検討のうえ,専門家の支援がある状況での使用が必要である.

緒言

医療の進歩により,小児がんの7, 8割は治癒する時代になったが,未だ5〜19歳の病気による死因の第一位であり,日本では年間約450人の子どもががんによって亡くなっている1,2)

親にとって子どもとの死別体験は「自我を構成するもっとも重要な部分を根こそぎ奪い去られる」出来事3)であり,そのような体験をする中で親は「正確な情報を知り,できる限りのことはすべてしたと思える」ことを望み4),子どもが置かれている現状を知り,子どもに対するケアを行うことで,死別後の悲嘆反応が緩和されたり,良い親としての役割を果たしたと感じられたりすることが明らかになっている5,6)

成人領域では,OPTIMプロジェクト(Outreach Palliative care Trial of Integrated regional Model,第3次対がん総合戦略研究事業「緩和ケアプログラムによる地域介入研究」:http://gankanwa.umin.jp/)により,看取りのパンフレット「これからの過ごし方について」が作成され,遺族調査によって看取りのパンフレットの有用性が示されている7).小児領域では遺族調査によって,家族が疾患の状態と将来の展望への繰り返しの説明を希望していることが報告され8),看取りの時期に今後起こり得ることへの十分な患者や家族との議論の必要性が示されている.このように正確な情報提供が望まれる一方,医療者は,家族への情報提供や意思決定支援に困難を感じているといわれている9).さらに,小児がんによる年間死亡数は成人がん患者の年間死亡数の0.1%程にとどまり,医療者側の看取りの経験不足といった障壁があることが明らかになっている9).そこで,家族へ正確な情報を伝える際の補助資料として,臨死期に起こり得る可能性の高い症状とそのケア方法に関する家族向けパンフレットを作成することで,看取りの経験が少ない医療者であっても統一した情報提供が可能になると考えた.

本研究はOPTIMプロジェクトにより作成された看取りのパンフレット7)をベースに著者らが作成した,看取りの時期にある小児がんの子どもをもつ家族向けのパンフレット「これからの過ごしかたについて─子ども版─」(以下,パンフレット)の使用可能性について,量的・質的双方の視点から検討することを目的とした.

方法

研究デザインは混合研究法を用いた横断調査である.

対象

対象は小児がんに携わる医師・看護師・その他関連職種である.

調査方法

データ収集は2014年11月~2015年4月に2通りの方法で行った.一つ目は2014年11月に開催された第13回日本小児がん看護学会学術集会にて,学術集会長から調査実施の承諾を得た後,パンフレット作成の口演発表を行った際に本調査の実施についてアナウンスし,発表後に希望者150名に対しパンフレット,調査説明書および質問紙を配布し郵送法で回収した.二つ目は2014年12月~2015年4月に全国の小児がん診療病院6施設にて実施した.各施設の看護部長宛に調査説明書を送付し,調査の承諾を得た後,各施設から回答のあった質問紙の送付希望部数の調査説明書,パンフレット,質問紙を郵送した.6施設計117名に配布し,施設ごとに留置法により回収した.

パンフレットの作成プロセスと内容の概要

パンフレットはOPTIMプロジェクトにより作成された看取りのパンフレットをベースに,小児緩和ケアに携わる医師3名・看護師5名・臨床心理士2名の計10名による2回の会議における合議および文献検討1016)によって吟味,精選し開発された.パンフレット作成において看護師は臨床症状とそのケアの視点から,臨床心理士は心理社会面の視点から,医師は医療的側面およびパンフレット全体の構成の妥当性を確認するオブザーバーの視点から参画した.また,会議においては使用対象と想定場面についても検討し,現在の小児の病気による死因として最も多い疾患は小児がんであること,成人のパンフレットもがん患者を想定して作成されていることから,パンフレット使用の対象疾患を①小児がんと想定した.また,現在の小児医療では病院で看取る場合がほとんどであることから,②病院で看取る予定である子どもの家族に対してと設定し,具体的な使用場面として,③予後が一週間以内に限られると想定され,④家族と医療者が今後のことについて話し合う場面で用いられることを想定した.

パンフレットの構成は,家族や子どものニーズをくみ取ることを目指した「お子さんのことを教えてください」,「これから大切にしたいこと」,臨死期を過ごすなかで生じ得る変化と生じた際にできる関わりについて情報提供することを目指した「これからの時期のからだの変化」,「からだに苦痛があるとき」,「飲んだり食べたりできないとき」,「のどがゴロゴロするとき」,「息が苦しそうなとき」,「つじつまが合わなかったり,いつもと違う行動をするとき」,臨死期を過ごす中で医療者側が重要だと考えていることを伝えることを意図した「これからのためにご家族で話し合ってほしいこと」,「ご家族のみなさまへのメッセージ」の10項目で構成した.内容は予後が一週間に限られた状態であっても子どもに対して家族と医療者ができる関わりを具体的に提示し,また子どもの疾患や家族の受け入れ状態に応じて医療者がパンフレット内容を柔軟に構成し直して活用できるよう工夫した.

調査項目

本研究の主要評価項目はパンフレットの使用可能性であり,「パンフレットを使いたいと思いますか」と「パンフレットは患者さんのご家族に実際に使えると思いますか」の二つの問いを用いて確認した.「パンフレットを使いたいと思いますか」の問いは,(1)ぜひ使いたい,(2)できれば使いたい,(3)できれば使いたくない,(4)使いたくない,の4件法で尋ねた.「パンフレットは患者さんのご家族に実際に使えると思いますか」の問いでは,(1)使える,(2)どちらともいえない,(3)使えない,の3件法で尋ね,自由記述としてパンフレットの家族への使用に関する意見を尋ねた.

副次的評価項目はパンフレットの10の各説明項目の必要性,内容の難易度,内容の分量であり,必要性は(1)要,(2)不要,の2件法で,内容の難易度は(1)簡単,(2)ちょうどよい,(3)難しい,の3件法で,内容の分量は(1)少ない,(2)ちょうどよい,(3)多い,の3件法でそれぞれ尋ねた.また,各説明項目の下に自由記述欄を設け,改善点を尋ねた.

背景要因として,回答者の職種,臨床経験年数,小児がんの臨床経験年数,小児がんの子どもの余命一週間以内のケアで困った経験の有無を尋ねた.

分析方法

分析はJMP pro11(SAS Institute Inc., Cary, NC, USA)を用いた単純集計により行った.パンフレットの実際の使用に関する自由記述はBerelsonの内容分析法17)に基づき行った.まず,1名の研究者が得られた回答をコード化した.次に,文脈内容の類似性を比較しながらカテゴリの抽出・再編を繰り返して統合し,カテゴリ名を命名した.コード化,カテゴリ抽出の確証性およびカテゴリ名の妥当性確保のため,小児緩和ケアに携わり,質的研究経験のある計6名の看護師,臨床心理士による合議を経てコードの分類,カテゴリ名を決定した.

本調査は東北大学大学院医学系研究科倫理委員会(承認番号:2014-1-761)の承認を得て実施した.質問紙に調査目的,調査への参加を拒否しても不利益を受けないこと,調査に関する個人情報保護について明記し,質問紙への回答と返送(提出)をもって調査への参加に同意をしたことを確認した.

結果

回答者の背景

質問紙は合計267名に配布し,76名から回答を得た(回答率28%).回答者の背景は表1に示す.職種は回答の80%以上が看護師だった.小児がんの子どもの余命一週間以内のケアで困った経験の有無では,「いつも困る」39名(51%),「時々困る」31名(40%)と,回答者の9割以上が何らかの困りごとを経験していた.

表1 回答者の背景(n=76)

パンフレットの使用可能性

1.小児がんに携わる医療者からみた使用可能性

「パンフレットを使いたいと思いますか」の設問に関する回答は,「ぜひ使いたい」27名(36%),「できれば使いたい」42名(57%),「できれば使いたくない」5名(7%)であり,93%の回答者はパンフレットを「使いたい」と評価した.「パンフレットは患者さんのご家族に実際に使えると思いますか」の設問に対する回答は,「使える」63名(86%),「どちらともいえない」3名(4%),「使えない」7名(10%)であった.

家族への使用に関する意見を自由記述で求めたところ,22名から25記録単位が抽出された(表2).以下,カテゴリを【 】,コードを[ ]で示す.内容は「使用することの利点」と「使用するうえでの留意点」の二つに大別された.「使用することの利点」は,[あえて言葉に伝えにくいことを,パンフレットを渡すことで伝えることができそう]といった【言葉にすることが難しい部分のコミュニケーションが図れる】,[死期の身体的特徴についてわかりやすく,やさしく書かれている]といった【家族が理解しやすい】,[家族のタイミングでパンフレットを読むことができる]といった【家族のタイミングで読める】,[看取りの方向性がわかりやすくなる]といった【看取りの方向性がわかりやすくなる】の4カテゴリで構成された.「使用するうえでの留意点」は,[渡すタイミングが難しい]といった【渡すタイミング】,[見たくない家族もいる]といった【家族の受け入れ状況】,[子どもの状況に合わせて]からなる【子どもの状況】,[チーム医療を前提とすれば,使用に際して医師も含めたチーム内の合意形成は必須]からなる【医療チームとしての方針】,[終末期に至るまでのスタッフと患者・家族の信頼関係が築けていれば使える]からなる【家族・医療者の信頼関係】,[最後まで積極的な治療を望む家族が多いため使用しにくい]といった【医療者の使用に対する考え】,[使ってみながら内容・分量の調整が必要]からなる【資料の分量】の7カテゴリで構成された.

表2 家族への使用に関する自由記述の内容分析結果

2.パンフレットの各項目の必要性

パンフレットの各項目の必要性は,難易度,分量から評価した.

各項目の必要性では,すべての項目で90%以上の回答者から必要であるとの回答があった.(図1).自由記述では,「予後一週間でこれら(子どものことおよびこれからの過ごし方で大切にしたいこと)のページが記載できるのか」,「子どものことの項目は書く作業は家族にはつらくないか」といった意見もある一方,「書きたいことがたくさんあると思うので1ページ全部使ってもいいと思う」といった意見があった.

図1 パンフレット項目の必要性

欠損値を除いて%を算出した

各項目の難易度では,「これから大切にしたいこと」については「難しい」と回答が7名(11%)と他の項目よりも高い割合であったが,それ以外の項目では回答者の90%以上が「ちょうどよい」または「簡単」と回答した(図2).「これから大切にしたいこと」では,「一週間前ではなくもう少し前から医療者と話し合えたら良いと思う」といった当該項目をより早期に確認すべきといった意見が複数あった.

図2 パンフレット項目の難易度

欠損値を除いて%を算出した

各項目の分量では,すべての項目で90%以上の回答者が「ちょうどよい」と回答した(図3).各項目少数ではあるが,分量が「少ない」との回答が「多い」と回答する者よりも多く,自由回答では「きょうだいや祖父母へどう伝えるか,少しヒントがあるといい」,「もう少し詳しく」といった意見があった.

図3 パンフレット項目の分量

欠損値を除いて%を算出した

考察

本研究では,看取りの時期にある小児がんの子どもをもつ家族向けのパンフレットを作成し,小児がんに携わる医療者に対してパンフレットの使用可能性に関する質問紙調査を実施した.その結果パンフレットは8割以上の回答者から肯定的な回答が得られ,使用可能性を備えていることが確かめられた.自由記述からは,家族の理解や医療者とのコミュニケーションを促進するツールとなり得ることが示された.

医療者が患者や家族への情報提供や意思決定支援に障壁を持っていることは先行研究からも示されている9,18)が,本研究において小児がんに携わる医療者のほとんどが看取りを迎えようとしている子どもとその家族へのケアに困っており,パンフレットのニードをもっていることが明らかとなった.

調査の結果,パンフレットは8割以上の回答者から肯定的な回答が得られ,使用可能性を備えていることが確かめられた.この理由として以下の2点が考えられた.第一に,パンフレットは,臨床症状だけでなく,子どもと家族を中心に,大切にしたいことを考えるというプロセスを含めて作成された.こうした医療者と子ども・家族の相互方向のやりとりを意図した構成は,話し合いの場面でのコミュニケーションを促進できると医療者が評価し,高い使用可能の評価につながった可能性がある.第二に,DNARに関する議論の提案はご家族の中で話し合ってほしいことの項目の中に包含した.DNARを行うか,行わないかという議論ではなく,DNARがこれからの過ごし方という本質的な議論の一要素として扱われるように構成された点は,この項目への必要性やわかりやすさに対する肯定的な意見の多さや,パンフレット全体の高い評価につながったと考えられた.

多くの回答者から使用できると声が聞かれた一方で,回答者の10%は本パンフレットを「使えない」と回答した.自由記述では,「使用するうえでの留意点」として【子どもの状況】,【家族の受け入れ状況】,【医療チームとしての方針】,【家族・医療者の信頼関係】といった要素が抽出された.これらの留意点は成人を対象としたパンフレットに関する先行研究でも同様の要素が抽出されており7),パンフレットの効果的な活用に当たって検討すべき事柄であると考えられた.家族が子どもの状況をどのように捉えているのか,医療者と家族がオープンに今後のことについて話し合うことができているか,医療者は当該家族へのパンフレットの使用をどのように考えているか,渡すとしたらどのようなタイミングが家族にとって望ましいか,現在の家族の状態からみて与える情報が過多とならないかなど,状況に応じて十分に検討して使用していく必要性がうかがえた.さらに,小児がんは,とくに血液腫瘍の場合,アクティブな治療を継続しながら終末期を迎えることも多く,家族が終末期と認識することの難しさが指摘されている19).また,Matsuokaらの遺族調査では,家族は子どもの死が近いことを頭で理解できても,事実として捉えることが難しく,認識には段階があったことを示している20).パンフレットの使用前だけでなく,使用後も継続的に家族の子どもの死に対する気づきや認識を医療者が捉え,支持していくことが望まれる.

こうした疾患のもつ治療的な背景や使用に留意を要することは,「ぜひ使用したい」よりも「できれば使用したい」の回答が多かったことや,家族に対して「使用できない」の回答が一定数みられた一因となったと考える.使用の際は安易な配布を避け,家族の状況のアセスメントや,医療チームで終末期ケアの議論を重ねながら,パンフレットの活用を検討することや,配布後も家族の理解状況を把握し,継続的に看取りの時期の過ごし方を一緒に考えていく必要があると考える.

パンフレットの各項目に関しては,「お子さんのことを教えてください」,「これから大切にしたいこと」の項目において,「1週間前に聞くのは遅いのではないか」との意見がみられた.これらの項目は終末期のみならず日々の子どもと家族のケアの中で重要とされる要素を包含していると考えられる.したがって,パンフレットをきっかけに様々な議論をする中での基盤として活用されるだけでなく,パンフレットの使用前からも日々のケアの中で継続して検討されていることが必要と考える.

成人患者向けの看取りのパンフレットの調査報告では,患者の死亡1カ月以上前にパンフレットを配布された家族の方がそれ以降に配布された家族よりも,配布が「遅すぎた」と回答した割合が少なかったことや,パンフレットを受けとるのが「早すぎた」と回答した家族が2%以下だったことも報告されている21)が,使用に当たっては留意点について継続的に検討し使用することが重要と考える.

また,宮下らは,子どもの病状や起こり得る事態について〈家族が子どもの看取りまでを考えられるような情報を提供〉する重要性を述べている22).医療者と家族との関係構築の状況を踏まえながら,対象の家族が子どもの看取りまでを考えるために適切な情報をアセスメントし,パンフレットのどの項目を活用することが家族にとって有用か検討する必要がある.さらに,医療者が少ない小児の看取り経験の中でパンフレットを使用することが想定されるため,パンフレットを使用するための臨床教育の充実も合わせて進めていくことが重要と考える.

本調査の限界について述べる.まず,本研究で設定した対象の一部にはパンフレット作成の口演発表後にパンフレットを希望した者が含まれており,実際の使用をすでに前向きに検討していた集団がサンプリングされた可能性がある.さらに一部の対象は年間症例数が一定数おり,子どもの看取り経験が豊富な医療者が多い集団と予測される小児がん診療病院の医療者であったため,子どもの看取り経験が少ない医療者の声が十分に反映できていない可能性があり,結果を解釈するうえで留意すべきと考える.また,回答率は28%と低く,結果の一般化には限界がある.加えて,全回答者のうち看護師の占める回答割合が8割と高く,実際に説明を行う可能性のある医師からの意見が拾い上げられていない可能性がある.さらに,本研究は医療者を対象とした調査であり,家族への使用可能性が確保されたわけではない.実際にパンフレットを用いた場合には,家族の背景や時期,説明の方法,専門家にどのような支援が必要であったかなどの声を集めることでさらに使用可能性を検討し,効果的な活用による患者・家族への効果の検証につなげていく必要がある.

本パンフレットは,使用上の留意事項を添えてホームページ上に公開しており,使用した症例を蓄積し,フィードバックを踏まえながら改編していく予定である(ホームページ:http://www.chn.med.tohoku.ac.jp/mitori/).また,終末期の小児がん患者と家族のケア経験が少ない医療者であっても使用できるように,医療者向け教育ツールを作成していくことが望ましいと考える.

結論

看取りの時期にある小児がんの子どもをもつ家族向けパンフレットである「これからの過ごしかたについて―子ども版―」は一定の使用可能性を備えていることが確かめられ,使用の利点として【言葉にすることが難しい部分のコミュニケーションが図れる】,【家族が理解しやすい】,【家族のタイミングで読める】,【看取りの方向性がわかりやすくなる】が明らかになった.また,使用の留意点として【渡すタイミング】,【家族の受け入れ状況】,【子どもの状況】,【医療チームとしての方針】,【家族・医療者の信頼関係】,【医療者の使用に対する考え】,【資料の分量】が示され,抽出された使用上の利点や留意点について個々の症例ごとに検討を重ねて用いることで,効果的な活用ができると考えられた.

付記

このパンフレットの開発は平成25-26年度科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究「終末期ケアに関わる看護師主導型の各種クリニカル・パスの評価」(研究代表者:宮下光令,分担研究者:塩飽 仁)によって行われた.本研究内容は第13回および第14回日本小児がん看護学会学術集会で発表した.

利益相反

宮下光令:原稿料および顧問料(メディカ出版株式会社)その他:該当なし

著者貢献

入江,名古屋は研究の構想・デザイン,研究データの収集・分析・解釈,原稿の奇草および重要な知的内容に関わる批判的な推敲に貢献した.羽鳥,吉田,尾形,塩飽は研究の構想・デザイン,研究データの収集・分析・解釈および原稿の重要な知的内容に関わる批判的な推敲に貢献した.松岡,多田羅,永山,宮下は研究の構想・デザイン,研究データの解釈および原稿の重要な知的内容に関わる批判的な推敲に貢献した.また,すべての著者は投稿論文ならびに最終原稿の最終確認,および研究の説明責任に同意した.

References
 
© 2018日本緩和医療学会
feedback
Top