本研究の目的は,著者らが作成した,看取りの時期にある小児がんの子どもをもつ家族向けのパンフレットの使用可能性を,量的・質的双方の視点から検討することである.小児がんに携わる医療者267名に質問紙を配布し,76名(28%)が回答した.回答者の93%がパンフレットを「使いたい」と回答し,86%が家族に実際に「使える」と答えた.自由記述では,使用の利点として【言葉にすることが難しい部分のコミュニケーションが図れる】【家族が理解しやすい】【家族のタイミングで読める】【看取りの方向性がわかりやすくなる】,留意点として【渡すタイミング】【家族の受け入れ状況】【子どもの状況】【医療チームとしての方針】【家族・医療者の信頼関係】【医療者の使用に対する考え】【資料の分量】が示された.パンフレットは使用可能と考えられたが,個々に使用の利点や留意点を検討のうえ,専門家の支援がある状況での使用が必要である.