2019 年 14 巻 1 号 p. 23-38
【目的】ナラティブレビューにより心不全患者のfatigue(倦怠感)に関する研究の現状と課題を明らかにする.【方法】 2018年3月までに発表された医学中央雑誌Web版,PubMed,CINAHL,PsycINFOから119文献を抽出した.【結果】対象は和文献2件,英文献117件であった.心不全患者のfatigueの疾患特異的な定義は存在しなかった.Fatigueの有症率は50〜94%であり,fatigueを測定する尺度,Quality of Lifeなどの下位尺度を用いて評価がされていた.関連要因には心不全の重症度,低い運動耐容能,抑うつ症状,高齢,女性などが挙げられた.Fatigueの重症度は生命予後へ影響することが報告されていた.【結論】Fatigueの疾患特異的な定義と評価方法が欠如しており,今後は心不全患者のfatigueを適切に評価する方法を確立することが求められる.