2019 年 14 巻 3 号 p. 209-213
政府は,がん対策基本法に基づくがん対策推進基本計画において「すべてのがん診療に携わる医師が研修等により,緩和ケアについての基本的な知識を習得すること」を目標に掲げ,2008年から「がんに携わる医師に対する緩和ケア研修会」の開催を各拠点病院に指示した.2009年より大阪府がん診療連携協議会・緩和ケア部会では,府内の緩和ケア研修会の開催日程調整と,講師登録・派遣を開始した.10年間で延べ357回の緩和ケア研修会を支援し,2018年3月の時点で,8416名の医師と2674名のメディカルスタッフが緩和ケア研修会を修了した.府内の緩和ケア・精神腫瘍学の基本教育に関する指導者研修会修了医師に毎年講師の協力を呼びかけ,2017〜2018年度には身体142名,精神64名が登録し,各緩和ケア研修会に身体5名,精神2名の医師が派遣された.講師派遣制度は,大阪府内の緩和ケア研修会の円滑な開催と研修会修了者増加に寄与したと思われた.