Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
活動報告
緩和ケアの専門家が不在な地域における訪問看護師の緩和ケアの困難感,自信・意欲,実践のアンケート調査,および緩和ケアアウトリーチ介入点の検討
佐藤 麻美子田上 恵太田上 佑輔青山 真帆井上 彰
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2021 年 16 巻 1 号 p. 79-84

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抄録

緩和ケアの均てん化が求められているが,専門家不在の地域での普及方法は検証が少なく,本邦においても緩和ケアの専門家によるアウトリーチが期待されている.本研究の目的は,緩和ケアの専門家が不在な地域での緩和ケアアウトリーチの介入点を検討することである.宮城県登米市の訪問看護師を対象に,緩和ケアに関する困難感,自信・意欲,実践についてリッカート法でアンケート調査を行い,5カ所の訪問看護ステーションの看護師39名が回答した.困難感は「症状緩和」,「医療者間コミュニケーション」で高かった.自信が低く,意欲は高い傾向であり,とくに自信の低い項目は「医師とのコミュニケーション」,「スタッフの支援」であった.また「往診医や主治医との連携」,「ヘルパーとの連携」で実践度が低かった.これらの結果から,地域の「顔の見える関係」を強化し,訪問看護師の自信を高める関わりが,緩和ケアアウトリーチにおいて有効と考えられた.

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© 2021日本緩和医療学会
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