Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
原著
患者報告型アウトカムを用いた専門的緩和ケアの質評価のための患者登録システムの開発:多施設パイロット調査
平山 英幸 里見 絵理子木澤 義之宮崎 万友子田上 恵太関根 龍一鈴木 梢余谷 暢之菅野 康二安保 博文坂下 明大佐藤 一樹中川 左理中澤 葉宇子浜野 淳宮下 光令
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2022 年 17 巻 4 号 p. 171-180

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抄録

【目的】患者報告型アウトカムを用いて緩和ケアの質をアウトカムの視点から評価するための患者登録システムの実施可能性を検証すること.【方法】電子的データ収集による患者登録システムを2021年に8施設で運用した.1カ月間に緩和ケアチームが新規介入依頼を受けた全入院患者を前向きに登録した.症状評価はIPOSまたはESASを介入時,3日後,介入から1週間ごとに取得した.主要評価項目は患者と医療者による症状評価尺度への回答率である.【結果】318人が登録.患者の回答率は介入時59.1%,介入後37.0%で医療者の回答率は介入時98.4%,介入後70.3%だった.緩和ケアチームからは「患者の回答はサポートが必要で,タブレットよりも紙がよい」,「調査日や全体の管理が負担」などの意見が出た.【考察】実施可能性があると考えられる一方で,システムや運用方法の改善点が明らかになり,実装に向けた貴重な情報が得られた.

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© 2022 日本緩和医療学会
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