Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
活動報告
小児専門病院に勤務するスタッフが感じる緩和ケアの困難感の変化—小児専門病院単施設の調査報告—
名古屋 祐子 佐藤 篤木村 慶相馬 伸樹吉本 裕子高橋 久美子坂田 悠佳蜂谷 ゆかり長澤 朋子大塚 有希五十嵐 あゆ子
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2023 年 18 巻 4 号 p. 235-240

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抄録

本研究は,小児専門病院の緩和ケアチームが院内コンサルテーションを開始する前後で院内スタッフの緩和ケアに対する困難感の変化を明らかにすることを目的に行った.5領域21項目で構成される困難感に関する自記式質問紙を用い,2015年に開始前,3年後に開始後調査を実施した.開始前は222名(回収率70.9%),開始後は384名(回収率87.3%)から回答を得た.回答者の7割以上が看護師・助産師であった.全職種では,“苦痛症状の緩和”,“看取りの際の家族ケア”,“自分自身や周囲のスタッフが感じる不全感や喪失感に対する支援”の3項目で困難感の有意な減少が認められた.介入した部署の看護師・助産師の困難感は6項目で有意な減少を認めた.緩和ケアチームが介入した16件中11件が疼痛コントロール難渋例の2名の患者への複数回の介入依頼であり,コンサルテーション活動が看護師・助産師の困難感の減少に寄与したと推察する.

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© 2023 日本緩和医療学会
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