【目的】緩和ケア病棟から在宅退院後の体験を明らかにするため,緩和ケア病棟退院患者の在宅でのQOLを緩和ケア病棟死亡患者と比較した.【方法】2010年1月~2014年8月に日本の12の緩和ケア病棟から在宅退院し再入院せず死亡したがん患者の遺族(以下,Home群)に,自記式アンケートを送付した.比較として,同時期に同じ緩和ケア病棟で死亡した患者のQOLを示したJ-HOPE3遺族データ(以下,PCU群)を使用した.【結果】495人に送付(回答率47.3%)しHome群188人と,PCU群759人を解析した.Good Death Inventoryで,Home群は,望んだ所で過ごせた,楽しみがあった,家族と過ごせた,大切にされたの高値と,PCU群は痛みや体の苦痛が少なく過ごせたの高値と関連した.【結論】緩和ケア病棟から在宅退院した患者の環境のQOLは良好だったが,症状緩和は緩和ケア病棟の評価が高かった.