2024 年 19 巻 1 号 p. 59-66
【目的】本研究の目的は,全国がん診療連携拠点病院におけるがん患者の骨粗鬆症診療の実態を把握することである.【方法】WEBアンケートを用いた調査研究であり,泌尿器科,婦人科,血液内科,呼吸器内科,呼吸器外科,消化器内科,消化器外科の医師を対象に,各診療科のがん患者に対する骨粗鬆症の評価や治療の有無について調査した.【結果】婦人科,血液内科,乳腺外科,泌尿器科における,がん患者に対する骨密度測定や骨粗鬆症治療薬処方は実施率が高かった.その実施の選定基準としては,年齢,ホルモン療法,ステロイドの使用が多く挙げられた.【結論】診療科によって,がん患者に対する骨粗鬆症診療の実施や,実施の選定基準に違いが認められたため,骨粗鬆症に対する評価や治療の啓蒙が今後の課題であると考える.