Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
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薬剤師と緩和ケア医師によるスクリーニング回診の効果
佐々木 直子山田 智香伊藤 智子森田 達也
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2007 年 2 巻 2 号 p. 201-206

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抄録

本研究の目的は、緩和ケアチーム(PCT)に依頼されていないがん患者における鎮痛治療の適切性を評価し、薬剤師と緩和ケア医師からなるスクリーニング回診の推奨によって鎮痛治療が変化するかを明らかにすることである。聖隷三方原病院の4つの一般病棟に2005年5月から12月に入院したがん患者で、PCTが介入しておらず、かつ、オピオイドか化学療法を受けているすべての患者を対象とした。週1回薬剤師と緩和ケア医師によりカルテ回診を行い、鎮痛治療の適切性を評価し、推奨を主治医・病棟看護師に行った。対象患者は62例であった。全患者の44%で鎮痛が不十分であり、オピオイドの投与を受けている43例の42%で副作用対策が不十分であった。52例に対して合計80件の推奨を行い、94%が1週間以内に実施された。薬剤師・緩和ケア医師によるスクリーニング回診は患者のより良い鎮痛に貢献しうると考える。

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© 2007 日本緩和医療学会
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