緩和ケアにおけるケアの質保証・評価は重要な課題である. 近年, 欧米を中心として, 既存のデータベースや診療記録から簡便に抽出可能な質の評価指標 (Quality Indicator; QI) の開発が行われている. 本稿では, 緩和ケアに関するQIの開発と実際の測定状況についてレビューを行う. 文献検索とハンドサーチによって文献を収集した. データベースから抽出するQIとして, がん登録・支払い請求・緩和ケアデータベースを用いた積極的治療, ホスピス・ICUの利用などの測定が行われていた. 診療記録から抽出するQIとしては, 地域高齢者を対象とした, 終末期ケアのQIの作成と実測が行われていた. その他のQIとしては, ICUのQI, ナーシングホームのQIなどの提案と, 遺族調査による質評価が行われていた. 今後は, わが国の現状に沿った緩和ケアのQIの測定項目・方法の開発とその実施可能性・信頼性・妥当性の検証が必要である.