2008 年 3 巻 2 号 p. 308-315
前立腺がんでは骨転移を併発する. 骨痛が増強し疼痛コントロールを目的として入院となった前立腺がん患者に対し, 骨痛改善のためのビスフォスフォネート製剤であるゾレドロネート(以下, ZA)の投与を行った症例について患者のQOLを評価した. 疼痛の評価は, 疼痛日記を用い, 鎮痛効果はオピオイド使用量から, QOLの評価はThe 36-item short form of the Medical Outcomes Study Questionnaire (SF-36)を用いて評価した.化学療法とZAの投与により, 疼痛緩和が得られQOLは改善した. 疼痛緩和を行うために, 痛みの評価である疼痛日記とQOLの評価であるSF-36を組み合わせた全人的な疼痛評価は有効であった. Palliat Care Res 2008 ; 3 (2) : 308-315