Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
原著
緩和ケア教育における精神科研修の必要性についての検討―精神科医の立場から―
羽多野 裕津田 真前林 佳朗志真 泰夫河瀬 雅紀福居 顯二
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キーワード: 緩和ケア, 教育, 精神医学
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2009 年 4 巻 1 号 p. 101-111

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抄録

【目的】緩和ケアの充実および緩和ケア専門医の育成が急務であるが, その中で精神的苦痛緩和の重要性が認識されるようになってきている. そこで, 緩和ケアに求められる知識・技術, 特に精神医学的知識・技術の必要性と自己評価を明らかにし, 緩和ケア教育での精神科研修のあり方を探るため, 調査を行った. 【対象・方法】全国の緩和ケア病棟およびがん診療連携拠点病院の緩和ケアチームで専従もしくは専任の勤務経験が3年以内の医師および看護師を対象としアンケート調査を行った. 【結果】チーム医療, 患者・家族とのコミュニケーション, 痛みの全人的理解, 傾聴などで必要性が高かった. 精神医学的知識・技術についても必要性は高かったが, 自己評価は全般に低かった. 【結語】緩和ケア教育の一環として, 精神症状の診断・治療, コミュニケーションスキルを身につけるためのコンサルテーション・リエゾンを中心とした精神科研修が必要と考えられる. Palliat Care Res 2009; 4 (1): 101-111

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© 2009 日本緩和医療学会
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