Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
短報
がん患者が訴える痛みの表現と鎮痛薬の効果
西田 希久代遠山 幸男久野 久美平野 茂樹出口 裕子松田 唯子渡辺 貴志山関 知恵板倉 由縁斎藤 寛子長谷川 高明
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2009 年 4 巻 1 号 p. 207-213

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抄録

がん患者は複雑な痛みをさまざまな言葉で表現する. こうした表現から薬剤の効果を推測することができ, 適切な疼痛緩和へつながると考え, 本調査を行った. がん性疼痛のある患者164名から, 529語(108種類)の痛みの表現を収集し, 使用頻度の高い痛みの表現に対するオピオイドおよび非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)の効果を評価した. その結果, 「重い」や「どーん」という表現はオピオイドが効きやすく, 「しびれ」や「ぴりぴり」はオピオイドが効きにくい表現であることが推測された. 医療従事者は, 患者の言葉に耳を傾け, 患者の痛みを把握することが重要であり,このことが良好な疼痛緩和につながると考える.Palliat Care Res 2009; 4(1): 207-213

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© 2009 日本緩和医療学会
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