Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
短報
医師・薬剤師・看護師が行う医療用麻薬に関する患者教育の現状とパンフレットの評価
川村 郁人川合 甲祐佐野 吉嗣久保川 直美寺町 真理水井 貴詞遠山 幸男斎藤 寛子長谷川 高明
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2009 年 4 巻 1 号 p. 214-227

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抄録

医療用麻薬の不安解消は疼痛緩和の第一歩である. ガイドラインにおいて印刷物の使用が推奨されているが, 実際に使用している医療者は少ない. 愛知県病院薬剤師会オンコロジー研究会では, 医療用麻薬全般の不安解消に焦点をしぼった, 読み手の負担が少ない「医療用麻薬パンフレット」(以下, OPA)を作成した. また, 医療者による指導状況の報告がないため, 県内の緩和医療に携わる医師・薬剤師・看護師を対象に, 指導状況とOPAの有用性の評価を調査した. 医療用麻薬について相談を受けたことがある薬剤師・看護師は多く, 中毒についての相談が最も多かった. 常に能動的に患者教育を行っている薬剤師は6割, 看護師は3割と少なく, 印刷物を利用している医師・看護師は2割, 薬剤師は4割と少なかった. ガイドラインに沿って内容を吟味したOPAは, 看護師の受けた相談の99%を網羅し, 医療者から内容, 情報量ともに良好な評価を受けたことから利用価値が高いと考えられる. Palliat Care Res 2009; 4(1): 214-227

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© 2009 日本緩和医療学会
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