Palliative Care Research
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症例報告
ベタメタゾンからプレドニゾロンへ変更後3日目より精神症状が改善した1症例―POMSを用いた評価
馬場 美華西田 真弓後明 郁男
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2010 年 5 巻 2 号 p. 332-337

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抄録

緩和医療では, 全身倦怠感, 食欲不振, 疲労感, 疼痛などのさまざまな苦痛症状の緩和目的にベタメタゾンが広く用いられている. ステロイド投与中は, その身体的副作用だけでなく, 精神的副作用も注意が必要である. profile of mood states (POMS)は, 対象者がおかれた条件により変化する一時的な気分, 感情の状態を測定できるという特徴を有している. その短縮版は, 質問項目を削減することにより測定時間を短縮し, 対象者の負担を軽減することができる. 今回, 消化管閉塞による消化器症状の緩和目的にベタメタゾン3mg/日を投与し, 症状緩和が可能であったが, 投与開始から4カ月後, 不安, 焦燥感, 不眠をきたしたので, ベタメタゾンから等力価のプレドニゾロンに変更, 変更後3日目より, 消化器症状を悪化させることなく精神症状が改善した症例を経験した. また, 薬剤変更前後での気分, 感情の状態を, POMS短縮版を用いて評価したので報告する. Palliat Care Res 2010; 5(2): 332-337

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© 2010 日本緩和医療学会
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