抄録
【緒言】在宅で分子標的薬を投与し, 症状の緩和と生存期間の延長を得られた肺がん脳転移, 髄膜転移の1例を経験した. 【症例】症例は76歳の日本人女性, 喫煙歴はない. 2010年4月, 呂律の回らなさ, 歩行障害が出現し, CT, MRIで肺がん, 肺内転移, リンパ節転移, 髄膜転移, 脳転移, 脊椎転移(T1bN1M1b, stage IV)と診断された. 5月7日より自宅にてエルロチニブ100 mgの内服を開始し, 6月6日からはエルロチニブを150 mgに増量し, 亡くなる2011年7月まで内服を続けた. PSが低下した2011年4月からはホスピスへ入院したが, エルロチニブの内服は続けた. 21日より経口摂取が回復し始め, 起座が可能となった. 8月6日のCTで肺原発巣はPR, MRIで髄膜転移と脳転移はSDであった. エルロチニブの有害事象はgrade IIの皮疹のみで, ステロイド外用剤でマネジメントできた.