Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
原著
終末期がん患者の在宅療養継続を促進・阻害する出来事が死亡場所に与えた影響─経時的なパターンの分類化
大園 康文福井 小紀子川野 英子
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2014 年 9 巻 1 号 p. 121-128

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抄録

【目的】終末期がん患者の在宅療養継続を促進・阻害する出来事を経時的に分類し, 死亡場所に与えた影響をパターン分類することを目的とする. 【方法】訪問看護師17名に半構造化面接を行った. 在宅死した事例と病院死した事例について, 在宅療養中に入院を希望した経緯やその時の対応を尋ねた. 【結果】在宅死に至った事例では, (1)最初から在宅死を望み最期まで継続できた, (2)促進する出来事と阻害する出来事を経験しながら最期まで継続できた, (3)副介護者の強い希望で在宅死した, 事例の3つに分けられた. 病院死に至った事例では, (1)在宅療養継続を望んでいたが症状が増強し入院した, (2)阻害する出来事が重なり入院をした, (3)家族が介護に消極的で症状増強や医師の意向に従って入院した, 事例の3つに分けられた. 【結論】在宅療養継続を促進・阻害する出来事を経時的に分類することで, パターンに応じた適切な対応策について示唆を得ることができたと考える.

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© 2014 日本緩和医療学会
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