Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
原著
東日本大震災の被災沿岸地域の医療者へのインタビュー調査に基づく災害時におけるがん患者の緩和ケア・在宅医療のあり方に関する研究
菅野 喜久子木下 寛也森田 達也佐藤 一樹清水 恵秋山 聖子村上 雅彦宮下 光令
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2014 年 9 巻 4 号 p. 131-139

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抄録

東日本大震災後のがん患者の緩和ケア・在宅医療については, ほとんど調査がされていない. 本研究では, 震災時のがん患者の緩和ケアと在宅医療の実態を明らかにし, 今後の大規模災害に向けたシステムの提言やマニュアルの整備のための基礎資料を作成することを目的とした.被災沿岸地域の医療者53名に半構造化面接を行った. 結果より, がん患者の緩和ケア・在宅医療に対する医療者の経験は, 【がん患者への医療提供の障害】【津波被害や避難の際に内服薬を喪失した患者への服薬継続の障害】【ライフラインの途絶による在宅療養患者への医療提供の障害】【地域の医療者と後方医療支援や医療救護班との連携の障害】【医療者に対する精神的ケア】【原発事故地域の医療提供の障害】の6カテゴリーに整理された. 大規模災害に向けた備えの基礎資料となり, 災害時のがん患者の緩和ケア・在宅療養に関する問題やその対応方法について明らかとなった.

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© 2014 日本緩和医療学会
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