2021 年 46 巻 1 号 p. 1-7
表在脳実質性軟髄膜出血(以下SPLH)は,脳溝に沿って進展する軟髄膜出血と同領域に併発する皮質下出血を特徴とする正期産児の分娩時発症頭蓋内出血と報告されている.新生児のまれな外傷性変化であり実地臨床ではよく知られていない.今回我々は,SPLHと画像診断した自験例5例の画像所見と臨床像を解析し,SPLHの発生機序を分娩時の過度な頭蓋変形による軟髄膜出血とこれに起因する髄質静脈の灌流障害で静脈性皮質下出血を併発したものと推察した.正期産児の脳実質内出血の診断時には本病態を念頭におく必要がある.