2021 年 46 巻 3 号 p. 224-229
小児の頭蓋形成においては,成長に伴い移植骨がずれるなどの問題があり,人工物は使いにくい.自家骨採取部位としては複数の候補があるが,当院では,頭蓋骨2枚おろし法を用いて頭蓋形成術を施行している.10例に施行し,感染はなく骨癒合も良好であった.自家頭蓋骨2枚おろし法は,小児に対する頭蓋形成術として,感染や頭蓋骨の成長に関して人工物より優れ,脳外科医にとって手術操作が慣れた部位で手術ができるという点で肋骨や腸骨移植より優った頭蓋形成術であると考える.