2021 年 46 巻 4 号 p. 284-289
小児もやもや病に対する血行再建術は複合血行再建術が主流となってきているが,側頭部の菲薄化や骨膜の欠損による骨癒合の遅延,また癒合遅延に伴う吸収性プレートの敬遠など整容面で問題となることがある.我々は熱凝固止血を避けた浅側頭動脈の採取,皮膚の血流を考慮した縫合処置,側頭筋を二層に分割した間接血行再建,骨弁の落ち込みを防止した骨形成,吸収性材料のみを使用することで整容面を重視した血行再建術を施行した.小児例4例6側に対して同法を採用し,術後に縫合不全や側頭筋の萎縮などはみられず,脳虚血は改善した.