小児の脳神経
Online ISSN : 2435-824X
Print ISSN : 0387-8023
46 巻, 4 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
総説
原著
  • 原田 敦子, 阪本 大輔, 山中 巧, 宇都宮 英綱
    2021 年46 巻4 号 p. 279-283
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/24
    ジャーナル フリー

    海外では脊髄髄膜瘤(以下MMC)の胎児手術が行われており,本邦でも一部施設で導入準備が進んでいる.胎児手術導入前の本邦でのMMCの診断治療の現状を把握するため,2012年から2019年に当院で診断されたMMC 35例について調査した.出生した29例では,水頭症手術を82.8%,大孔減圧術を13.8%に要したものの,63.2%が歩行を獲得,92.3%が発達指数50以上と発達予後は比較的良好であった.小児脳神経外科医が中心となって胎児手術の適応を検討していく必要がある.

  • 吉金 努, 林 健太郎, 山本 和博, 内村 昌裕, 藤原 勇太, 中川 史生, 神原 瑞樹, 永井 秀政, 秋山 恭彦
    2021 年46 巻4 号 p. 284-289
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/24
    ジャーナル フリー

    小児もやもや病に対する血行再建術は複合血行再建術が主流となってきているが,側頭部の菲薄化や骨膜の欠損による骨癒合の遅延,また癒合遅延に伴う吸収性プレートの敬遠など整容面で問題となることがある.我々は熱凝固止血を避けた浅側頭動脈の採取,皮膚の血流を考慮した縫合処置,側頭筋を二層に分割した間接血行再建,骨弁の落ち込みを防止した骨形成,吸収性材料のみを使用することで整容面を重視した血行再建術を施行した.小児例4例6側に対して同法を採用し,術後に縫合不全や側頭筋の萎縮などはみられず,脳虚血は改善した.

  • 岡 千紘, 末永 潤, 三宅 勇平, 広川 大輔, 本間 博邦, 山本 哲哉
    2021 年46 巻4 号 p. 290-296
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/24
    ジャーナル フリー

    小児髄芽腫11例で小脳性無言症(CMS)発症要因を検討した.CMS発症の3例全例で,術後T2強調画像で片側上小脳脚に新規の高信号変化を認めたが数か月以内には消失.CMSを呈さなかった8例中7例には術後同変化はみられず,小脳脚に同変化を認めた1例は構音障害,失調を認めたが無言症は呈さなかった.最大腫瘍径,摘出度にCMS発症との関連はなかった.

    上小脳脚を含む歯状核視床皮質路の障害が,CMSに関与することを示唆するものであった.障害を避けるためには,小脳虫部周囲で過度の牽引や凝固操作に注意することが重要と考えられた.

  • 白水 洋史, 増田 浩, 亀山 茂樹
    2021 年46 巻4 号 p. 297-302
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/24
    ジャーナル フリー

    当院で定位温熱凝固術を行った外国人の視床下部過誤腫患者65例の特徴と,当院の外国人診療体制について調査した.外国人症例は国内症例と比べ,低年齢,大型のものが多い傾向があったが,最終的な発作転帰は有意差がなかった.外国人患者へのアンケートでは,9割以上で高い満足度が得られた.一方,関係医療職への調査では,言語,ルールの遵守,食事などでの問題が指摘されたが,7割近くは外国人診療で良い経験であったと回答した.特定の疾患に対する治療に特化した外国人診療を行うことにより,円滑な外国人診療が可能となった.

症例報告
 
feedback
Top