小児髄芽腫11例で小脳性無言症(CMS)発症要因を検討した.CMS発症の3例全例で,術後T2強調画像で片側上小脳脚に新規の高信号変化を認めたが数か月以内には消失.CMSを呈さなかった8例中7例には術後同変化はみられず,小脳脚に同変化を認めた1例は構音障害,失調を認めたが無言症は呈さなかった.最大腫瘍径,摘出度にCMS発症との関連はなかった.
上小脳脚を含む歯状核視床皮質路の障害が,CMSに関与することを示唆するものであった.障害を避けるためには,小脳虫部周囲で過度の牽引や凝固操作に注意することが重要と考えられた.
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