1981 年 20 巻 3 号 p. 127-132
一般家庭用電気器具の電源スィッチを用いて,これをON,OFFする際に接点間で発生する需気火花による可燃性混合気への着火実験を行なった.実験用スイッチとしてはキーソケットスイッチ,中間スイッチおよび埋込スィッチを使用し,負荷用の電気器具としては白熱電球,換気扇,螢光灯および抵抗器を使用した.また可燃性ガスとしてはメタンおよびプロパンを使用した.その結果,1)キーソケットスイッチのOFF時が最も着火しやすい,2)スイッチON時よりもOFF時の方が着火しやすい 3)誘導性負荷である電気器具のスイッチをOFFした場合の方が,抵抗負荷の場合よりも小さなエネルギーで着火する 4)着火に必要なエネルギーはスイッチの種類や回路条件などによって左右され,数mJで着火する場合もあれば,数Jでも着火しない場合もあることなどがわかった.