2023 年 48 巻 1 号 p. 15-20
Ribbon手技は前大脳動脈領域に対する間接血行再建術である.当科でribbon手技を行った連続7例(初回治療4例,追加治療3例)を対象に有効性を検証した.周術期合併症を2例に認めたが,全例で下肢の虚血発作頻度の改善を認め6例で前大脳動脈領域に良好な側副路の形成を認めた.術後脳卒中の発生を認めた例はなく生活の質の維持に貢献していた.小児もやもや病においてribbon手技は初回治療または追加治療として行うことができ,前大脳動脈領域に対する血行再建術として安全かつ有効な治療法と考えられる.