2023 年 48 巻 1 号 p. 21-25
小児髄芽腫に対する治療成績の向上により長期生存例が多くみられるようになったが,それに伴う新たな問題として二次がんがある.我々が治療した小脳髄芽腫患者27例のうち2例で初期治療後5年11か月および22年8か月に小脳膠芽腫が出現し,臨床学的に放射線誘発性の二次がんと診断した.
我々が臨床学的に放射線誘発性膠芽腫と診断した2例はいずれも免疫組織化学でIDH-1は野生型,EGFRの発現は陰性,p53の発現は陽性であり,分子学的にも放射線誘発性の二次がんとして矛盾しない結果であった.