主催: 一般社団法人日本周産期・新生児医学会
会議名: 周産期学シンポジウム:周産期の Pharmacology
回次: 14
開催地: 東京都
開催日: 1996/01/20 - 1996/01/21
p. 135-139
はじめに
母体および胎児由来のdehydroepiandrosterone sulfate(DHAS)は胎盤でエストロゲンに変換される。そして,正常妊娠におけるDHASの代謝は非妊婦のそれと比較して著しく充進している1)。妊娠後期において,母体にDHASを投与した場合,血中エストラジオール(E2)濃度が著しく増加することが知られている2)。妊娠羊において,DHAS投与後約30分で母体血中エストロゲン濃度が最高値に達し,その90分後に子宮血流が増加することが報告されている3)。しかしながら,DHASがヒト子宮胎盤循環動態および胎児循環動態に及ぼす急性効果についての報告は認められていない。
本シンポジウムでは,DHASが妊娠満期の母児循環動態に及ぼす影響について検討することを目的とした。