周産期学シンポジウム抄録集
Online ISSN : 2759-033X
Print ISSN : 1342-0526
第14回
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特別企画:災害と周産期医療
震災被害の状況と現地からみた危機管理のあり方
新生児医療
常石 秀市高田 哲上谷 良行中村 肇大倉 完悦中尾 秀人皆川 京子久呉 真章石田 明人狐塚 善樹
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p. 9-17

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抄録

 はじめに

 兵庫県の心臓部を襲った直下型大地震は,150万都市神戸をはじめとした近代都市群を廃墟と化した。多数の家屋倒壊と火災のため5千人以上の命が奪われ,30万人もの人々が住居を失った。尊い犠牲者のなかには,29名の乳児を含む423名もの子供たちがいた。被害をさらに大きくしたのは,ライフラインの寸断と情報,交通網の破綻であった。そのような状況下,兵庫県下のNICUも多大な被害を被りながらも新生児医療を死守すべく奮闘した。受傷した入院患児が1例も出なかったことは,ひとえに新生児医療スタッフの技術と経験の賜物であろう。

 今回,震災後1カ月の時点で兵庫県新生児救急医療システム参加施設ヘアンケートを配布し,被災状況,支援実績,反省点と提言についてまとめる機会を得た。5つの被害甚大施設と4つの周辺支援施設の対応・活動を紹介し,防災対策への提言としたい。

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© 1996 日本周産期・新生児医学会
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