主催: 一般社団法人日本周産期・新生児医学会
会議名: 周産期学シンポジウム:胎児・新生児の予後に影響を及ぼすウイルス感染
回次: 18
開催地: 東京都
開催日: 2000/01/22 - 2000/01/23
p. 45-49
はじめに
先天性サイトメガロウイルス(CMV)感染症は,胎児に重篤な神経学的後障害を生ずる代表的な母児感染症の1つである。先天性CMV感染症の発生頻度は,本邦においては約0.4%,米国においては約1%前後とされている1.2)。低出生体重児における発生頻度は,在胎34週までに出生した児の4.8%に先天性CMV感染症を認めたとする報告がある3)。今日においても,CMV母児感染の成立機序については不明の点が多い。今回われわれは,在胎23週にて出生した無症候性の先天性CMV感染症を合併した超低出生体重児の1例を経験したので,文献的考察を加え報告する。