主催: 一般社団法人日本周産期・新生児医学会
会議名: 周産期学シンポジウム:予後不良因子を有する胎児・新生児への医学的対応
回次: 19
開催地: 東京都
開催日: 2001/01/19 - 2001/01/20
p. 41-46
序論
肺低形成の定義は肺細胞数の減少,気道・肺胞の減少,肺実質のサイズ・重量の減少により定義されている。また病理学的特徴として上記の所見以外にも,肺循環系の変化として肺動脈末梢血管構造の変化がある。つまり肺末梢血管の中膜の肥厚(平滑筋の増生),血管床の減少が特徴的である1~3)。そして実際の肺低形成の診断は,解剖例では,肺重量,肺体重比などで行われている4)。
この肺低形成の原因としては,①羊水過少:腎性・破水,②胸腔内のmass:CDH,胸水貯溜,CCAML,胸腔内腫瘍,③心疾患:心筋症,Ebstein奇形,④神経・筋疾患:CMDなど(呼吸様運動の欠如による),⑤骨系統性疾患,⑥特発性先天性肺低形成などがあげられる。
肺低形成の頻度は,10,000分娩あたり11-14分娩,解剖例では7.8-14%とされている。さらに奇形合併症例・1,000g以下では,約50%と報告されている。肺低形成の周産期死亡率は約70%,死亡原因は肺低形成に起因するPPIINによると報告されている5~8)。
以上のように,肺低形成は周産期において非常に周産期死亡率が高く重要な疾患であり,出生前診断法が強く望まれている。しかしながら確実な出生前診断法は確立されていない。このため肺低形成の予測のため,胎児肺血流波形計測を行ったのでその結果を報告する。