周産期学シンポジウム抄録集
Online ISSN : 2759-033X
Print ISSN : 1342-0526
第3回
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シンポジウム I:胎児,新生児頭蓋内出血の成因
脳室内出血と気胸の関連について
玉井 普多木 秀雄徳広 美紀国井 優子島田 誠一船戸 正久
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p. 72-77

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抄録

 I はじめに

 末熟児の管理において脳室内出血は密接かつ重大な合併症の一つである。当院NICUに過去3年間に入院した頭蓋内出血例67例について見てみても,重症仮死や分娩時外傷に起因すると考えられた極く少数の成熟児例を除けば,脳室内出血は全例在胎週数33週以下,出生時体重2,000g以下の未熟児症例であった(図1)。

 また,その脳室内出血の誘因の一つとして気胸の発生が従来から言われている。Dykes1)らも気胸が脳室内出血の最も高いRisk factorとして報告している。そこで今回,われわれは気胸と脳室内出血の関連について,(1)気胸が実際,脳室内出血の発生増悪にRisk factorとなっているのかどうか。(2)Risk factorとなっているとすれば,どのような機序でそうなるのか,という点について若干検討したので報告する。

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© 1985 日本周産期・新生児医学会
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