主催: 一般社団法人日本周産期・新生児医学会
会議名: 周産期学シンポジウム:胎児,新生児頭蓋内出血
回次: 3
開催地: 東京都
開催日: 1985/01/19
p. 72-77
I はじめに
末熟児の管理において脳室内出血は密接かつ重大な合併症の一つである。当院NICUに過去3年間に入院した頭蓋内出血例67例について見てみても,重症仮死や分娩時外傷に起因すると考えられた極く少数の成熟児例を除けば,脳室内出血は全例在胎週数33週以下,出生時体重2,000g以下の未熟児症例であった(図1)。
また,その脳室内出血の誘因の一つとして気胸の発生が従来から言われている。Dykes1)らも気胸が脳室内出血の最も高いRisk factorとして報告している。そこで今回,われわれは気胸と脳室内出血の関連について,(1)気胸が実際,脳室内出血の発生増悪にRisk factorとなっているのかどうか。(2)Risk factorとなっているとすれば,どのような機序でそうなるのか,という点について若干検討したので報告する。