周産期学シンポジウム抄録集
Online ISSN : 2759-033X
Print ISSN : 1342-0526
第3回
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シンポジウム I:胎児,新生児頭蓋内出血の成因
胎児・末熟児・新生児の脳底動脈血流速度の変動について
宇津 正二
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p. 66-71

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抄録

 I はじめに

 未熟児•新生児の頭蓋内出血に関しては,リアルタイム超音波断層法や,CTスキャンなどの臨床応用によって,比較的小さな出血巣も診断可能なまでに進歩してきたが,その発症要因や発症病態については未だ不明な点が多く,胎児期も含めた周産期管理上,頭蓋内出血の予防やその治療に関して,明確な方策がつかめないでいるのが現状である。

 そこで,本稿では,われわれがこの数年来,胎児および胎児胎盤系の血流計測を行い,その循環動態の解析に用いてきたパルスドプラ法の手法1)を用いて,胎児から末熟児・新生児の脳底動脈の血流計測を行い,脳内循環動態の変動の解析を試みたので紹介する。また,実際に頭蓋内出血を起こした未熟児の脳底動脈血流パターンを観察記録する機会を得たので,頭蓋内出血の発症要因や病態究明の一助となればと思い報告する。

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© 1985 日本周産期・新生児医学会
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