周産期学シンポジウム抄録集
Online ISSN : 2759-033X
Print ISSN : 1342-0526
第31回
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シンポジウム午前の部:その疫学と予防
宮崎県における脳障害の変遷
― Population-based研究から―
児玉 由紀
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p. 69-74

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抄録

 胎児心拍数モニタリングが普及し,帝王切開分娩が5倍増加したのにもかかわらず,脳性麻痺(cerebral palsy:CP)の頻度は先進諸国ではこの30年以上減少していない1)。西オーストラリアやpopulation-based研究(1967〜1985年)では,分娩時のasphyxiaはCPの主要な原因ではなく,低出生体重児の生存率増加がCPに関与していた2)。その後の研究で,1990年代早期からは極低出生体重児のCP発生率は変化していないと報告されている3,4)

 わが国のCPに関する最近のpopulation-based dataとしては,滋賀県(1977〜1991年)5)と沖縄県のデータ(1988〜2001年)6)があり,いずれも極低出生体重児におけるCPの発生率増加を指摘している。

 今回,われわれは宮崎県をフィールドとしたpopulation-based研究を行い,新生児脳障害の原因を明らかにすることとした。さらに在胎週数群別に調べ,成熟児脳障害についてその原因や変遷を検討した。

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© 2013 日本周産期・新生児医学会
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