主催: 一般社団法人日本周産期・新生児医学会
会議名: 周産期学シンポジウム:成熟児のasphyxiaとcerebral palsy
回次: 31
開催地: 大阪府
開催日: 2013/01/25 - 2013/01/26
p. 69-74
胎児心拍数モニタリングが普及し,帝王切開分娩が5倍増加したのにもかかわらず,脳性麻痺(cerebral palsy:CP)の頻度は先進諸国ではこの30年以上減少していない1)。西オーストラリアやpopulation-based研究(1967〜1985年)では,分娩時のasphyxiaはCPの主要な原因ではなく,低出生体重児の生存率増加がCPに関与していた2)。その後の研究で,1990年代早期からは極低出生体重児のCP発生率は変化していないと報告されている3,4)。
わが国のCPに関する最近のpopulation-based dataとしては,滋賀県(1977〜1991年)5)と沖縄県のデータ(1988〜2001年)6)があり,いずれも極低出生体重児におけるCPの発生率増加を指摘している。
今回,われわれは宮崎県をフィールドとしたpopulation-based研究を行い,新生児脳障害の原因を明らかにすることとした。さらに在胎週数群別に調べ,成熟児脳障害についてその原因や変遷を検討した。