主催: 一般社団法人日本周産期・新生児医学会
会議名: 周産期学シンポジウム:Preterm を考える〜preterm児のCPとlate pretermの諸問題〜
回次: 32
開催地: 福岡県
開催日: 2014/02/07 - 2014/02/08
p. 27-31
はじめに
胎児画像診断の発達に伴い,以前は出生後にしか診断できなかった新生児腫瘍が,現在は胎児期に診断されるようになってきている。そのため,胎児期にこれらの腫瘍を診断し,腫瘍による気道閉塞の可能性がある場合などには分娩前に治療計画を立てることが可能となった。治療する時期に応じて,胎児期に治療を行ったうえで分娩後に二期的に治療を完遂する胎児治療,分娩時に気道確保などの処置を行うEXIT(ex-utero intrapartum treatment),分娩後に治療を行う新生児治療などが選択される。腫瘍が娩出後の気道を障害する可能性がある場合にはEXITの適応となるが,国内の限られた施設でしか行われない胎児治療と異なり,EXITの麻酔管理は十分な準備をすれば多くの施設で対応可能である。これまで新生児手術の麻酔法はほぼ確立されつつあるが,胎児治療やEXITの麻酔管理法は十分に確立されていないのが現状である。本稿では現時点で最良と思われるEXITの麻酔管理の要点について解説する。