主催: 一般社団法人日本周産期・新生児医学会
会議名: 周産期学シンポジウム
回次: 5
開催地: 神奈川県
開催日: 1987/01/17
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本学会は昭和58年1月に創立され,その“ひよこ”が歩み出し立派に成育してきた過程は別表(次頁参照)の如くであり,歴代会長,幹事および会員諸氏のご尽力頂いた情熱と努力の賜物と衷心より敬意を表する。
本会設立以来,公募による種々の要望テーマを中心としてシンポジウム形式でホットな討議が行われるのが特徴であり,その記録を機関誌である本誌に掲載され,好評を博しているのはご同慶のいたりである。
本会総会の議を経て,初めて東京を離れて昭和62年1月17日(土)横浜・県民小ホールにて第5回日本周産期学会を未曽有の239名の参加を頂き開催されました。その学術集会記録集「周産期学シンポジウム No. 5」が,この度発刊されることになり,欣喜雀躍の感がある。
今回のシンポジウムは「先天性疾患の診断と治療」と「妊娠30週未満の分娩方法をめぐる諸問題」であり,現代周産期学のエポックを画するもので,各演者の述べられた内容は正しく刮目に価するものばかりで会員を魅了したことと信ずる。
しかし,これらの分野の発展は目覚しく秒進分歩の時代であり,これらの課題は現時点での最高の断面での診断・治療・管理であり,さらに何年か先に同じテーマでの討論を望みたい。
本学会は,アジア・オセアニア周産期学会の日本における受け皿的存在として機能し,去る昭和61年4月には前田一雄会長のもとに第4回アジア・オセアニア周産期学会が,東京高輪プリンスホテルにて,海外から200名の参加を得て盛会裡に終えたのは,目新しい楽しい思い出でもある。
今夏,松江市にて第3回国際シンポジウム "The fetus as a patient" が前田一雄会長主宰のもと催され,その成功を願うものであるが,本学会ではpatientはもちろんのこと "The fetus as a person" として扱うのが本来の使命であると思う。
本学会は,限りない可能性を秘めた胎児に係わるすべてを管理・研究する唯一の優れた会員の会合であり,本学会の益々の躍進を祈念して止まない。