周産期学シンポジウム抄録集
Online ISSN : 2759-033X
Print ISSN : 1342-0526
第6回
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シンポジウム II:胎児仮死および新生児仮死:診断と治療
胎児仮死と胎児循環
神崎 徹千葉 喜英
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p. 133-137

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抄録

 I 胎児仮死の分類

 いかなる所見で胎児仮死と診断するかという問題は,胎児仮死の病態そのものを定義することと同義である。胎児仮死の原因や病態を探る目的のために,ある診断基準で胎児仮死群を設定することは,タイムマシンで過去に遡りそこでタイムマシンを完成させる,バックトゥーザフューチャーのストーリーに似ているといえないこともない。このようなジレンマはあるが,本研究においては出生時臍帯動脈血pHが7.24未満の例を胎児仮死があったと定義することにした。

 対象は昭和57年から昭和62年,国立循環器病センターで出生した児847例のうち,出生時臍帯動脈血ガスの測定された807例である。pH7.24未満の胎児仮死は128例で,陣痛発来以前に帝王切開したもの(陣痛前群)32例,経腟分娩したものあるいは陣痛発来後に帝王切開したもの(陣痛後群)96例であった。

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© 1988 日本周産期・新生児医学会
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