周産期学シンポジウム抄録集
Online ISSN : 2759-033X
Print ISSN : 1342-0526
第7回
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シンポジウムA:IUGR:病因と病態
胎盤生体膜機能よりみたIUGRの病因と病態
飯岡 秀晃久永 浩靖森山 郁子南淵 芳赤崎 正佳片上 佳明一條 元彦
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p. 22-32

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抄録

 緒言

 IUGRの病態を考えるのに,胎児自身の有する成長能が大きな要因であるといえる。しかし一方,妊娠中毒症などに合併するIUGRにみられるような胎盤機能異常が関与する病態像も存在している。

 胎盤の機能としては,各種栄養物質の輸送が重要であり,胎盤絨毛をおおう絨毛上皮がその中心的役割を果たしている(図1)。一方,胎盤絨毛上皮は,血液と直接接する点で,血管内皮と同様に血液凝固を阻止し血液循環の維持にも関与していると考えられる。

 胎盤のもつ機能の全体像が解明されていない現時点で,胎盤機能面からIUGRの病態の全体像を把握するのは不可能ともいえるが,今回は,胎盤の生体膜機能,特に胎盤絨毛上皮刷子縁膜の機能の面からIUGRの病態像について検討してみた。

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© 1989 日本周産期・新生児医学会
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