周産期学シンポジウム抄録集
Online ISSN : 2759-033X
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第7回
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シンポジウムA:IUGR:病因と病態
IUGRにおける腎動脈血流波形の検討
岩本 好吉三浦 裕和竹内 裕一郎前田 一雄
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p. 54-58

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抄録

 はじめに

 IUGR(子宮内発育遅延)は,病因・病態ともに種々の様相を呈し,予後の面からも周産期管理における大きな問題のひとつである。

 この病態のひとつに羊水過少の合併があり,日常臨床でしばしば経験されるが,IUGR胎児では尿産生量が低下していることが報告されており1, 2),これが羊水過少の原因であると考えられる。この尿産生量低下の機序はまだ明らかにされていないが,IUGRではなんらかの障害が胎児に及んでおり,そのため胎児の体内では循環動態の変化が起こり,その部分変化のひとつに腎動脈血流の滅少があり,その結果,腎での尿産生率が低下する,という機序が考えられる。

 本研究では,IUGR胎児における腎動脈血流減少を調べる目的で,パルスドプラ法を用いて,正常発育胎児とIUGR胎児の腎動脈血流計測を行った。

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© 1989 日本周産期・新生児医学会
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