抄録
下肢装具を処方されて在宅復帰した脳卒中片麻痺患者30名を常時使用群(18名)と非常時使用群(12名)の2群に分類し,背景因子,臨床経過,下肢装具の使用状況,移動能力の変化および家族指導の影響について検討した.その結果,常時使用群は入院中の家族指導の参加が有意に多かった.また,下肢装具の使用状況で,常時使用群は非常時使用群に比べて移乗と歩行で使用することが多く,その使用理由は,リハビリテーションスタッフからの指導,起立・立位時の安定のために使用していたことが明らかになった.以上から,退院後も下肢装具が必要な患者に対し,家族指導を通して,患者・家族の理解と退院後も継続したフォローアップが必要と考えられた.