2016 年 32 巻 3 号 p. 198-204
脊柱側弯症に対し有効な治療は,装具治療と手術治療である.側弯症の大半を占める「特発性側弯症」には装具治療が有効で,その最もよい適応は,1)年齢が10歳以上,2) Risser sign 0-2,3) Cobb角25∼40°,さらに4)(女児の場合)初経前か初経後1年未満である.適切な装具を作るためには,X線でカーブパターン,頂椎の位置,装具装着時の矯正率と冠状面バランスを評価する必要がある.筆者らの施設では,装具治療有効例が74%を占め,Cobb角5°以上の改善例は22%に認められている.