2017 年 33 巻 1 号 p. 60-63
高位頚髄損傷者における机上動作の補助には,ポータブルスプリングバランサー(以下,PSB)が一般的に用いられているが,PSBには前腕の回内外を制御する機能はない.しかし,高位頚髄損傷者がADLを獲得するためには自助具を取り付けた手掌の向きも重要であり,前腕の回内外を制御する必要があると考えられる.そこで,C5およびC4機能レベルの2症例に対して前腕を任意の回内外角度に保持する装具を製作し,PSBと併用して装具療法を実施した.結果,いずれの症例でも食事,歯磨きが可能になり,C5機能レベルでは,スマートフォン操作等も可能になるなど,本装具の使用によりADL全介助だった高位頚髄損傷者がADLを獲得することができたので報告する.