2017 年 33 巻 1 号 p. 64-66
慢性期脳卒中片麻痺患者1名を対象に,短下肢装具と腓腹筋への機能的電気刺激を併用した歩行練習の治療効果を検討した.シングルケースデザインのABA’B’デザインを使用し,短下肢装具を使用した歩行練習のみを行うA·A’期と短下肢装具と腓腹筋への機能的電気刺激を併用した歩行練習を行うB·B’期で治療効果の比較検討を行った.その結果,最大歩行速度,歩幅がB·B’期に増加する傾向を認めた.歩行率に関しては,いずれの時期においても変化は認められなかった.本症例において,短下肢装具と腓腹筋への機能的電気刺激を併用した歩行練習は,歩行能力の改善に有効であった.