2017 年 33 巻 2 号 p. 111-117
本研究の目的は,ACSIVEを活用した歩行練習が正常歩行パターンに及ぼす影響を運動力学的に検証するために2つの実験を行った.実験1,2ともに健常成人を対象とした.実験1では,裸足歩行とACSIVEを装着した歩行を運動力学的に比較検討した.実験2では,ACSIVEを活用した歩行練習を実施し,練習前後における裸足歩行を運動力学解析し,比較検討した.歩行計測は10台の赤外線カメラからなる光学式標点位置計測装置(VICON612)と床反力計(AMTI : OR6-6)を用いて計測した.運動力学データは,逆動力学的手法を用いて計算した.結果,ACSIVEによるアシストは,股および膝関節の荷重応答期から立脚終期に影響を及ぼした.また,ACSIVEを活用した歩行練習は,股関節モーメントにおいて,荷重応答期および立脚中期の最大伸展モーメントが増大し,最大屈曲モーメントを減少させることが示された.